kintoneのルックアップ集計とAccessクエリ集計、どう使い分ける?「複雑な集計」の壁を破る方法
kintoneでは、データの関連付けや集計にルックアップ機能を使います。しかし、「あれ、この集計はルックアップではできないぞ...」と行き詰まった経験はありませんか?
kintoneのルックアップ集計とAccessのクエリ集計は、似ているようで設計思想が大きく異なります。この違いを理解することが、複数アプリ・複雑な条件での集計を実現する鍵となります。
1. kintoneの「ルックアップ集計」の設計思想と限界
kintoneのルックアップは、「あるレコードが、別のレコードの情報を参照・コピーする」ための機能です。
✅ ルックアップが得意なこと(シンプル)
- 単一レコードの参照:顧客管理アプリから案件アプリに「顧客名」や「顧客ID」をコピーする。
- 関連レコードの表示:顧客レコードから、その顧客に関連する「過去の案件一覧」を表示する。
❌ ルックアップが苦手なこと(複雑)
ルックアップ機能は、「データを集計・加工する」ことには向いていません。
- アプリを跨いだ複雑な結合・演算:
- 「顧客ごとの累計売上高」や「特定期間の利益率」など、複数アプリ(顧客、案件、請求など)のデータを結合し、四則演算や条件判定を加えて算出する処理はできません。
- グループ化や集約の柔軟性:
- ルックアップや関連レコードでできる集計は、件数や合計など限定的です。「担当者別」「商品カテゴリ別」といった軸で柔軟にデータをグループ化して分析するのには不向きです。
- 多段階のデータ処理:
- 「集計した結果」をさらに別の条件で絞り込んだり、別のデータと結合したりする多段階のデータ処理は事実上不可能です。
2. Accessの「クエリ集計」の設計思想と優位性
一方、Microsoft Accessのクエリ(Query)は、本質的に「データベース言語」です。データを参照するだけでなく、「データそのものを自在に加工・集計・結合するために存在する」機能です。
✨ クエリ集計が得意なこと(圧倒的な柔軟性)
- SQLベースの高度な結合(リレーション):
- 複数のkintoneアプリ(Accessのテーブルとして扱われる)を、まるで一つのデータベースのように扱えます。これにより、ルックアップでは実現できない複雑な条件でのデータ結合や抽出(JOIN)が可能です。
- グループ化と集約関数の自由度:
- SUM、AVG、COUNT、MAX、MINなどの集約関数を使い、特定のフィールド(担当者名、商品コードなど)でデータを自由にグループ化できます。これにより、きめ細やかな分析レポートの元データを作成できます。
- レポート作成とのシームレスな連携:
- クエリで作成した集計結果は、Accessの強力なレポート機能にそのまま引き継げます。これにより、複雑な表形式やデザインされた帳票を集計から印刷までノンストップで処理できます。
3. 【結論】kintoneとAccessの得意分野を組み合わせる
| 機能 | kintone ルックアップ集計 | Access クエリ集計 |
| 設計思想 | アプリ間のデータ参照・コピー | 複数データの結合・加工・演算 |
| 得意なこと | シンプルな情報連携、一覧表示 | 複雑な集計・グループ化、多段階分析 |
| 苦手なこと | 複数アプリを跨いだ複雑な演算 | - |
| レポート出力 | kintoneグラフ、外部サービス利用 | 柔軟なレイアウトの帳票作成 |
🔑 あなたの集計課題は「ルックアップの限界」が原因かもしれません
もし、Excelにデータを書き出してから手作業で集計しているなら、それはkintoneのルックアップ機能では処理できない「データベース的な複雑な集計ニーズ」を持っている証拠です。
kintone-Accessコネクタは、この課題を解決するために存在します。
kintoneの「使いやすさ・情報共有力」を活かしつつ、Accessの「データ加工・高度な集計・美しい帳票出力能力」をプラスすることで、データ活用の壁を完全に打ち破ることができます。
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