【製造業の経理担当向け】kintoneの複数マスタ情報をAccessで集計し、原価計算レポートを作成する方法
導入(課題の提示)
kintone導入後の「隠れた課題」—原価計算レポート作成の壁
kintoneを導入し、生産管理や工程管理のデータをデジタル化された製造業の皆様、おめでとうございます。
しかし、そのデジタル化されたデータを経営判断に活かす段階、特に原価計算レポート作成の場面で、こんな「隠れた課題」に直面していませんか?
- kintoneでデータは蓄積されているが、原価計算に必要な「複数アプリ横断の複雑な集計」ができない
- 例:製品マスタ、部品マスタ、作業実績アプリ、仕入れアプリなど、散在するデータを柔軟に統合する仕組みがない
- 「月次決算」や「部門別損益計算」のために、毎回Excelでの手作業による転記・集計が発生している
- CSVエクスポート→VLOOKUPで結合→計算という手間が、毎月の残業の大きな原因になっている
- 長年使い込んだAccessの「原価計算レポート」のレイアウトを、kintoneの標準機能や一般的なプラグインでは再現できない
- ピクセル単位で調整された会社指定のフォーマット(法定帳票など)の再現を諦めかけている
製造業において、正確かつ迅速な原価計算レポートや部門別採算レポートは、経営の意思決定の根幹を担います。kintoneのデータ活用は進んだものの、「集計と帳票」でつまずき、「DXの最後の壁」になっているケースは少なくありません。
解決策の提案
Accessの「強力なクエリ機能」をkintoneデータに適用するハイブリッド戦略
この課題を解決するのが、「kintone-Accessコネクタ」を利用したハイブリッドなデータ活用戦略です。
このツールは、kintoneのデータ活用を「Excel手作業」に戻すことなく、Accessの持つ柔軟な集計・レポート機能を「エンジン」として活用します。
1. 複数のkintoneアプリを、Accessの「テーブル」としてリアルタイム参照
「kintone-Accessコネクタ」を導入すると、kintoneにある以下のようなデータを、Accessのデータベース内でローカルのAccessテーブルのように利用できます。
- 製品マスタ(単価情報)
- 工程実績(作業時間)
- 仕入・購買(材料費)
- 工数管理(人件費)
バラバラなアプリのデータが、リアルタイムでkintoneと同期されるため、常に最新の状態です。
2. Accessのクエリ機能で「複雑な原価計算ロジック」を構築
長年培ってきたAccessのクエリ機能(リレーションと集計)を最大限に活用します。
- 複数テーブルの結合:kintoneアプリから取り込んだデータ間に正確なリレーションシップを設定。複雑な親子関係も簡単に結合します。
- 複雑な計算式の適用:kintoneでは難しい、材料費、労務費、経費などを合算し、歩留まりや配賦率を考慮した複雑な原価計算ロジックを、すべてクエリの計算式内で定義できます。
- 帳票専用データセットの作成:月次レポートや製品別損益計算書に必要なデータだけを抽出した「帳票用クエリ」を完成させます。一度作れば、ボタン一つで最新データが集計されます。
3. 既存のAccess帳票レイアウトをそのまま活用
計算結果をAccessのレポート機能に出力するため、過去に作り込んだピクセル単位で調整された帳票(原価計算レポート、仕掛品残高表、部門別採算表など)のレイアウトを一切変更する必要はありません。
Accessで作成したVBAや複雑な制御ロジックも、接続先をkintoneデータに切り替えるだけでそのまま動作します。
| 従来の課題(kintone標準機能の限界) | kintone-Accessコネクタでの解決 |
| アプリ間集計:複雑なリレーションが組めず、データが分断される | Accessクエリ:複数のkintoneデータを柔軟に結合し、高度な計算ロジックを適用 |
| 手作業の発生:Excelに都度CSVを落として集計し直す手間 | 自動レポート:ボタン一つで、常に最新のkintoneデータに基づいたレポートが正確に出力 |
| 帳票再現性:会社指定のフォーマット(法定帳票など)が再現できない | Accessレポート機能:既存のAccess資産(帳票VBA・デザイン)をそのまま活用 |
まとめと次のアクション
kintoneは現場のデータ入力・共有には最適ですが、製造業の生命線である「経営レポート・原価計算」には、Accessの持つ柔軟な集計・帳票作成機能が必要です。
- 「kintone-Accessコネクタ」は、kintoneを「データ蓄積・入力のプラットフォーム」として、Accessを「高度な分析・帳票出力エンジン」として活用する、最も効率的でコストのかからない解決策です。
長年使い込んだAccessのVBAやレポート資産を捨てることなく、kintoneの「データ連携の未来」を手に入れませんか?
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